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2025.06.09
コラム
定期的な点検が鍵!ホテル・旅館におけるシロアリ被害のリスク管理
はじめに|宿泊業にとって“見えない劣化”が最大の脅威
建物が老朽化するのは、自然なこと。
けれど、**「静かに、目に見えないところから劣化していく」**としたら…どう対処しますか?
特に、ホテルや旅館といった宿泊施設にとって、建物の安全性や快適性は“命そのもの”。
⚫︎客室の床がきしむ
⚫︎大浴場や脱衣所にカビ臭さがある
⚫︎羽アリを見かけた
それらのサイン、すでにシロアリが内部に侵入している兆候かもしれません。
なぜ宿泊業は“シロアリ対策”が重要なのか?
理由1:構造的に「木材」が多用されている
旅館や温泉宿、古民家ホテルは、和風建築を取り入れていることが多く、柱や土台、天井裏などに天然木材を使用しているケースが目立ちます。シロアリにとっては“最高の住処”です。
理由2:浴室・露天風呂など湿気の多い施設が多い
シロアリは湿気を好む昆虫です。大浴場、家族風呂、露天風呂、ランドリールームなど、水回りを多く抱える宿泊施設は特にリスクが高いと言えます。
理由3:被害に気づきにくいまま、顧客の信用を損なうリスク
「床がブカブカしていた」「壁がフカフカだった」
宿泊施設にとって、建物への不安=信頼の喪失に直結します。レビューにも書かれてしまえば、集客に致命傷です。
シロアリ被害の進行パターン|初期〜末期の兆候と見落としがちなリスクとは
旅館やホテルなど、宿泊業の建物において**「構造の劣化」=経営リスク**に直結します。
とくにシロアリによる被害は、表面化しにくく、気づいたときには修繕に莫大な費用がかかるケースも少なくありません。
本記事では、シロアリ被害の進行パターンとその兆候、そして経営リスクにつながる“盲点エリア”や今注目のESG対策としての定期点検の重要性を、実例を交えて詳しく解説します。
シロアリ被害の進行パターン|初期・中期・末期の兆候とは?
■ 初期
特徴: 目立たない
具体例:
-
蟻道の発生
-
床下の湿気増加
-
僅かな羽アリの死骸
■ 中期
特徴: 被害が進行
具体例:
-
床鳴り
-
木材の変形
-
和室の柱が柔らかくなる
■ 末期
特徴: 施設機能に影響が出始める
具体例:
-
客室の一部閉鎖
-
天井の崩落リスク
-
腐朽菌の拡大
初期段階では目視での確認が難しいため、専門業者による点検が非常に重要です。
建物全体で見落としがちな“盲点エリア”とは?
天井裏・小屋裏
和風建築の温泉旅館などでは、天井板の上に湿気がこもる構造になっていることが多く、ヤマトシロアリが営巣しやすい環境です。
点検口がない、あるいは極端に小さいため定期点検が実施されていないケースも多く、知らぬ間に被害が拡大する恐れがあります。
床下点検口がないバックヤード
調理場やランドリースペースなどの非客室エリアは、衛生面・安全面の管理が後回しになりがち。
仮にシロアリの死骸が見つかった場合、食品を扱う場所での発見は大きな信頼損失に。
境界部分・増改築の接続部
後から増設された別館や廊下などは、構造の継ぎ目からシロアリが侵入しやすい要注意エリアです。
基礎の構造が異なると、換気不良や湿気の停滞が起こりやすく、シロアリの温床になりやすいのが特徴です。
管理者・経営者が知っておくべき「6つの経営リスク」
1. 休館による営業損失
被害が進行している場合、営業停止による損失は数百万円単位になることも。とくに旅行シーズンやイベントと重なると、打撃は甚大です。
2. クチコミ評価の低下
「床がきしむ」「施設が古く感じた」といったレビューは、旅行予約サイトの評価に直結。今や清潔感やメンテナンス状況は宿泊先選びの重要指標です。
3. 人材の離職リスク
スタッフが**「安全管理が甘い」と感じれば職場への不信感につながり、離職のきっかけに**なりかねません。働く人の安心もまた、経営資源のひとつです。
4. 安全面でのトラブル(事故リスク)
木材の腐朽や天井崩落など、事故が起きれば人的被害・損害賠償にもつながる重大問題に発展します。
5. 修繕費の突発的負担
放置すればするほど、工期・工事範囲・コストは膨れ上がるのがシロアリ被害。予期せぬ出費が財務計画を狂わせます。
6. 社会的信用の低下
自治体や金融機関とのやりとりでも、「建物管理の甘さ」はマイナス評価に。施設運営の信頼性に影響します。
シロアリ点検・駆除を「コスト」ではなく「投資」と考える
「どれくらいかかるのか?」というのが、経営者が最初に気になる点かもしれません。
しかし、**定期点検は“健康診断”**のようなもの。大規模修繕や営業損失という“未来の損失”を防ぐ手段として考えましょう。
点検を導入した施設の声
⚫︎「実際に被害があってからではなく、未然に防ぐ方が断然安いと気づいた」
⚫︎「修繕費を“予防医療”のように捉えることで、財務計画も安定した」
⚫︎「点検記録を残すことで、自治体・銀行からの信頼が高まった」
SDGs・ESG経営にもつながるシロアリ対策
今、持続可能な建物管理が経営戦略のひとつとして見直されています。実はシロアリ対策も、SDGsやESGの視点から非常に親和性が高いのです。
SDGsでの関連目標とその貢献
住み続けられるまちづくりを
→ 地域の宿や文化財を守る建物管理が持続可能性に寄与
つくる責任・つかう責任
→ 定期点検により、建材の寿命を延ばす
気候変動への具体的対策
→ ベイト工法など、環境負荷の少ない施工方法の採用が可能
ESG経営としてのアピール効果も
外部への環境配慮・ガバナンス対策の一環として、点検実施の実績を可視化することは、企業価値の向上にもつながります。
被害事例から学ぶ|旅館・ホテルで実際に起きたケース
【事例1】熊本県・老舗温泉旅館(築50年)
⚫︎客室内の畳が沈むようになり調査を依頼
⚫︎結果、床下にヤマトシロアリの巣を発見
⚫︎約60㎡の補強工事と駆除で300万円超の出費
【事例2】福岡市・都市型ホテル(築18年)
⚫︎毎年羽アリが1階ロビーに出現
⚫︎バリア工法施工後は再発なし
⚫︎「異臭・カビのような匂い」が減ったというスタッフの声も
シロアリの種類と習性|旅館で多いのはこの2種
ヤマトシロアリ(日本全域)
⚫︎湿った木材を好む
⚫︎雨漏りや浴室近くの床下に多く発生
⚫︎冬でも活動している場合あり
イエシロアリ(西日本中心)
⚫︎加害力が強く、1つの巣から数十メートルに及ぶ被害
⚫︎地下に巣を作り、建物全体に拡大
⚫︎宿泊施設の天井・壁・設備配管まで影響
なぜ“定期点検”が絶対に必要なのか?
1. 被害を「発見した時点」ではもう遅い
多くの管理者が「何かあってから点検」しがちです。
しかしシロアリは、症状が見える=建物内部ではすでに深刻な状態。
⚫︎見た目に異常が出るまで時間がかかる
⚫︎初期段階なら数万円で済む修繕が、放置で数百万に
2. 定期点検による「安心感」が、スタッフにも顧客にも届く
⚫︎清掃スタッフ:異常があったらすぐに報告できる体制に
⚫︎宿泊者:安全性への取り組みを掲示することで信頼度向上
⚫︎管理者:修繕計画や資金のコントロールが可能になる
シロアリ点検・駆除の流れ|旅館・ホテル向け完全ガイド
ステップ1|事前ヒアリング・施設概要の確認
⚫︎構造(木造・鉄骨・RC混構造など)
⚫︎築年数と過去の修繕履歴
⚫︎湿気がこもる設備(浴場・脱衣所・地下)
ステップ2|現地調査(所要:1〜3時間)
⚫︎基礎・柱・水回り・天井裏の目視点検
⚫︎赤外線・音響・高感度スコープを併用
ステップ3|診断報告+お見積もり
⚫︎写真付きレポート提出
⚫︎被害範囲と工法の提案
⚫︎即日〜1週間以内に対応可能
施工方法の選び方|宿泊業に向く工法とは?
バリア工法|耐久性・スピードを重視するなら
⚫︎即効性のある薬剤を使用し、再発防止効果は5年
⚫︎繁忙期を避けて、最短半日で完了するプランも可能
⚫︎宿泊棟ごとの分割施工が可能=休館不要
ベイト工法|露天風呂付き・景観重視の施設に最適
⚫︎毒餌を用いた巣ごとの駆除
⚫︎環境負荷が少なく、薬剤散布を避けたい施設向き
⚫︎効果は数ヶ月で現れ、継続設置で予防可能
点検・施工で選ばれる業者の条件
✅ 経験豊富で宿泊施設の施工実績がある
✅ 被害の見逃しを防ぐ複合診断機器を使用
✅ 写真付きレポートで透明性のある提案
✅ 年単位の保証と定期点検サポートがある
✅ 薬剤・施工中の臭気・作業音への配慮が明示されている
定期点検導入の効果|ホテル業界の成功事例
⚫︎熊本市の旅館:5年間で再発ゼロ・修繕コストを1/4に削減
⚫︎北九州のホテル:羽アリ被害が消え、口コミ評価が向上
⚫︎筑後地区の温泉宿:定期点検の実施をWebサイトで公表し、企業イメージ向上に成功
駆除後こそ重要!シロアリ予防の“7つのコツ”
シロアリ駆除が終わったからといって、「もう安心」と思い込むのは危険です。なぜなら、再侵入のリスクは常に存在するからです。実際、多くの再発ケースは「駆除後の油断」や「予防体制の不備」によって発生しています。
ここでは、駆除後に取り組むべき「再発予防の実践ポイント」を7つにまとめてご紹介します。
1. 床下の「乾燥環境」を保つ
シロアリは湿気を好むため、床下環境の“乾燥”は最大の防御策になります。
⚫︎換気口の確保と通気経路の確認
⚫︎不要物(木材・ダンボールなど)の撤去
⚫︎床下の断熱材が湿っていないか定期確認
旅館やホテルでは、和室や脱衣所、ランドリースペースの下が湿気をため込みやすい傾向にあるため、年1回の専門チェックが有効です。
2. 施設内の「水漏れ・結露」を見逃さない
見落とされがちなのが、配管の劣化や結露による局所的な湿気です。
⚫︎脱衣所の床下や浴場まわりの点検
⚫︎温泉施設やサウナ近くの天井裏の確認
⚫︎ドレン配管・ボイラー室・床下エアコン付近の結露
放置すると、気づかぬうちにヤマトシロアリの温床に。水回り設備の日常点検をマニュアル化しておくと安心です。
3. 建物まわりの「植栽・木材」への注意
敷地内の“屋外環境”が、実はシロアリの侵入口になっていることも。
⚫︎花壇や垣根の枕木・杭の劣化確認
⚫︎木製テラス・露天風呂デッキの接地部の保守
⚫︎土壌に直接木材を埋めない工夫
特に和風庭園や縁側まわりなど、「地面と接する木材部分」は定期的な確認と保守が不可欠です。
4. 増改築時の「継ぎ目対策」
増築した新館・通路・厨房エリアとの接合部が盲点になることがあります。
⚫︎接続部の床下に点検口を設ける
⚫︎増築部分にシロアリ対策を組み込む
⚫︎隙間や基礎の高さが均一か確認
建物の“つなぎ目”はシロアリにとって格好の侵入口。建築業者と連携しながら、防蟻処理を施しておきましょう。
5. 点検記録の「保存」と共有
駆除後に実施した点検やメンテナンスの履歴を保存しておくことで、以下のようなメリットがあります。
⚫︎不具合発生時の迅速対応
⚫︎管理者の交代時にも体制が引き継げる
⚫︎自治体補助や融資申請時の資料として有効
**クラウドや紙媒体を併用した「台帳の整備」**をおすすめします。
6. スタッフへの「異変察知」教育
現場スタッフが**“いつもと違う”に気づける力**を持っていると、早期対応につながります。
⚫︎「羽アリを見かけたら報告」ルールの徹底
⚫︎異臭・カビ臭・床の沈み込みへの意識付け
⚫︎内部研修で基礎知識を共有
厨房・清掃・フロントなど、全スタッフが「建物管理の一員」であるという意識を育てましょう。
7. 専門業者との「定期契約」でリスクをゼロに
自己点検には限界があります。専門の業者と契約し、年1〜2回の定期点検を導入することで、以下のようなメリットが得られます。
⚫︎高性能機器を使った精密診断
⚫︎小さな兆候も見逃さないプロの目
⚫︎再発時の保証制度が適用される
特に宿泊業では、休館不要の時間帯(深夜・早朝)の施工対応がある業者を選ぶのがコツです。
「予防の習慣化」が経営を守る最大の武器に
建物は、メンテナンスをすればするほど長持ちします。 そしてそれは、施設の「信用の積み重ね」とも言えるのです。
⚫︎顧客から「手入れが行き届いた施設」という印象を得られる
⚫︎スタッフの安心感が生まれ、定着率が上がる
⚫︎大規模修繕のリスクを回避し、安定した財務を保てる
シロアリ対策は、ただの「虫の駆除」ではありません。 宿泊業を支える土台を守る、持続可能な経営戦略なのです。
ダスキンターミニックス荒江店なら|旅館・ホテル対応の強み
⚫︎福岡市を中心に年間200件以上の宿泊施設点検実績
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⚫︎宿泊営業と両立できる深夜・早朝施工オプションあり
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📍ダスキンターミニックス荒江店
TEL:0120-6464-42
営業時間:9:00〜18:00(土日祝休)
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【まとめ:追加編】“被害ゼロ”ではなく“継続ゼロ”を目指す
シロアリ対策において大切なのは、「一度駆除すれば安心」ではなく、被害を繰り返さないための体制を“継続”することです。
⚫︎定期点検の実施
⚫︎建物ごとの管理台帳の作成
⚫︎スタッフによる日常点検のマニュアル化
⚫︎専門業者との定期契約
このような管理体制の構築こそが、宿泊業における“施設力”そのものになります。